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一口馬主は儲かる?儲からない?

もう1~2か月もすると、2023年度の一口馬主の募集が始まります。これから一口馬主を始めようという方、始めようか迷っておられる方に、「一口馬主の正しい楽しみ方」を僕の経験談などを交えながらお伝えします。

僕の一口馬主歴はたかだか5、6年やそこらではありますが、出資馬の未出走引退やデビュー戦後に骨折判明引退のような地獄パターンから、G1勝利のような天国パターンまで、様々な経験をしてきました。

今思えばほんとに何も知らん状態で「まあ儲かるんでしょ?」くらいの軽い気持ちで始めました。5、6年やってやっと全体像をマスターしたというか、心の持ちようも含めて一口馬主との向き合い方、距離感を掴めたような気がしています。これから述べることが、皆さんの参考になると嬉しく思います。

儲かる?儲からない?

いきなりタイトル(問い)の結論のようなことを述べますが、

  • 馬1頭単位で見ると、儲からないことの方が多い。
  • ただし、出資馬トータルでプラス運用する(数頭分のマイナスを1頭の大幅プラスで)ことは可能だと思う。
  • いずれにしろ、「儲かるものではない」「かかる費用は、日々の疑似馬主生活(調教情報、レースなど)を楽しむ費用込みの値段だ」という心持ちでいた方が楽しめる。

という感じになるかなと思います。以下に、より詳しく説明します。

かかる費用とリターン

「馬1頭単位で見ると、儲からないことの方が多い。」と書きましたが、これを説明するために、まず馬に出資してから引退するまでに必要な一連の費用について説明します。

細々したものを除くと、

  1. 出資金(イニシャルコスト)
  2. 維持費(餌代、管理費相当)(ランニングコスト)

の2つに大別できます。

イニシャルコストは馬そのものの値段で、馬の値段によって大きく変わります。500口募集のクラブで総額4,000万円の馬だと1口8万円ですし、総額1億円の馬だと1口20万円といった具合です。購入時にかかる費用ですね。

一方、ランニングコストは運用経費のようなものですべての馬に等しくかかる費用です。500口クラブだと、1口当たりだいたい月額1,000~1,500円程度かかります。年間で見ると15,000程度と思ってれば良いかと思います。

不慮の事故等なくデビュー(2歳)から引退(5歳)まで完走すれば、

  • 6万(15,000×4年/固定)+初期費用

がかかってくることになります。

ランニングコストは月々引かれていくものではありますが、引退時期の予想はできるため、1頭1口あたりかかってくる全体費用の予測は立てることができます。基本的にそれ以上の費用を請求されることはありませんので、馬がレースで1円も稼いで来なかった場合の最大損失の想定ができるということです。

この全体費用を念頭に、2歳(3歳の場合もある)でのデビュー戦以降、レースで稼いでくる賞金でどこまで補填できるか、そして損益分岐点=上述最大損失想定額を超えて、利益をどこまで積めるか、といった楽しみ方になります。

慣れてくれば、出資する馬は2頭、3頭と増えていくでしょうし、出資口数も複数になっていくと思います。また、昨年に出資する馬がデビューする前に今年の出資馬を検討することになったりして、費用とリターンが複合的になっていきます。そして、基本的に一口馬主は費用の「先払い」なので、なんとなく先行投資額が嵩んでいる感覚に苛まれます。答えが出るまでだいぶ待たされますしね。最初はなんとも形容し難い心地の悪さみたいなものがありますが、3年くらい過ぎたあたりの諸々軌道に乗って来て以降はその心地の悪さは浄化され、ものすごく楽しくなってくると思います。

まあ、3年くらい過ぎた時点では、先行投資額も良い感じになっていて、もはや抜け出せない底なし沼の中って状態でもありますが。とはいえ、一定の財政規律をしっかり保ち、あとは心の持ち様を整えてやってさえいれば、これ以上ない楽しみ(趣味)として生活を豊かにしてくれるものと思います。

では今日はこのへんで。「心持ち」についてはまた稿を改めたいと思います。